私は総合病院から精神科病院に転職した田舎暮らしのメンズナースです。私についての詳細はプロフィールをご参照下さい。私が精神科病院に転職してもうすぐ1年半になりますが、精神科ナースとしてはまだまだ初心者で日々勉強という状況です。
今回紹介するのは、私が精神科病院で働くようになって実際に経験した対応困難事例です。私は割と傷つきやすく、日々の業務の中で当たり前に生じる対応困難な事例に対しても容易に落ち込んでしまうことがあります。この事例紹介では私自身の反省と振り返りのために、様々な文献と照らし合わせてより良い対策の検討もしたいと考えています。今回は事例の紹介までとし、次回文献を参考にした私の考えた対策を紹介します。
同様の経験をしたことのある方との情報共有ができればと思っていますが、このような事例に遭遇したことの無い方は、参考までにご覧ください。こんな対策がいいよというものがあれば「お問い合わせ」より教えていただきたいです!
50代女性 双極性障害、統合失調症 医療保護入院の患者の事例
これまでに何度も入退院を繰り返している方。過去の入院で身体拘束などもされていた。前回退院から半年ほど経ったタイミングであり、前回入院中に拘束や隔離措置を取られたことに納得いかないと何度も警察に訴えていたが、内容が統一性に欠けるため事件性は無いとされていた。当院通院中であったため受診を促され弟に連れられ受診、躁状態悪化しているとして医療保護入院、隔離対応となっていた。また、前回入院時は腹部・左下肢拘束されており、おむつ対応していた。その際に、「知らない男性が夜中に部屋に入ってきてレイプされた」と話していた。今回も同様の発言が聞かれており、男性職員にのみ語気が荒く、易怒的であった。
1月○日23時 隔離室のドア叩きにて咽頭痛のため咳嗽の要求あり、「うがい薬使えないのは分かってるからモンダミンを使わせてくれ」との訴えあり。ハチアズレ咳嗽薬が処方されており使用許可は出ていたが、あまりにも頻回な要求のため前勤務者が患者と話し合って使用回数を決めていた(1日4回)。対応時、受け持ちNsは不在であり別チームNsの私が対応していた。
モンダミンの使用回数については話し合いがされておらず、そもそもモンダミンはうがい薬ではないことや、うがい薬を多用することで悪影響(喉粘膜への過剰な刺激)もあるため、水うがいで様子をみてはどうかと提案したところ「いいから(モンダミン)よこせばいいでしょ!そこにあるんだから渡してくれればいいじゃん!今喉が痛くて苦しんでるって言ってるのに、なんで患者に寄り添ってくれないんだ!」と声を荒げ興奮し、その後も様々な職員に「○○はひどいやつだ!患者のことを何も考えていない。訴えてやる!」等と訴えた。担当Nsと合流し、モンダミンを渡したが、日勤に交代した後も同様の訴えを続けており、私の対応が悪かったのかと落ち込んだ。
私が当時対応中に考えていたこと
別チームではあったがハチアズレ咳嗽薬の使用回数を決めていたのは知っていた。また、追加でのモンダミン使用による咳嗽は常在菌の低下を伴うし、そもそも喉の痛みに対する鎮痛効果として使用するものではない。また、過度なうがいによる物的な刺激で更に喉の粘膜を痛める可能性がある。そのため、薬剤を使用したうがい回数は十分行っており、これ以上は更にのどの痛みを増強させる可能性があるため控えた方がいいと考え、促した。
以上が今回の事例の概要です。次回、この事例に対するより良い対策を検討します。
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