精神科病院に転職して2年経過した現状 ぶっちゃけこんな感じ その3

看護

みなさんこんにちは。走るメンズナースほりぽんです。私は大学病院、地域の総合病院(3次救急病院)を経て2年前に現在の精神科病院に転職しました。

今回は、私が精神科病院で勤務する上で感じていることの紹介第3弾です。精神科病院に興味がある方転職を考えている看護師の方はぜひ参考にしてみて下さい。

第3弾では、看護師としての生き方・働き方についてまとめてみます💡

看護師としての成長の実感

私は以前循環器内科病棟にいたのですが、心電図の波形の読み取りや心カテの準備、カテ後の観察、除細動使用の介助、急変対応など様々な知識や技術を身に付け、それらを駆使して業務をこなしていました。大変でしたが、一つ一つやれるようになると自分の成長を感じられました。

一方で、精神科では技術というよりもどちらかというとコミュニケ―ションスキルを上げることが求められます。もちろん疾患に応じた対応のポイントはありますが、視線や話し方、傾聴や近づきすぎない距離感など、関わりの中で学ぶものが多く「○○を覚えた」「○○ができるようになった」という評価がしにくいため自身の成長の実感に繋がりにくいように感じます。精神科で必要となるスキルは目に見えない距離感や会話の間の取り方などになってくるため、同僚に関わり方を褒められる等の客観的な評価で成長を実感できるのではないでしょうか。

また、総合病院で仕事ができないと評価されていた人でも、精神科では必要とされるスキルが違うために活躍できる可能性があると思います。一人ひとりに時間をかけて寄り添った対応が必要となるため、多重業務に翻弄されて「学生時代に学んだ寄り添いや共感の姿勢を持つ時間を持てないことに悩む人」はぜひ精神科勤務を検討した方がいいと思います。どの精神科病院でも、総合病院のような多重業務に汗をかきながら走り回るような働き方にはならないと思います。バタバタして患者が話したそうにしているのを後回しにしてばかりの業務では、精神科では状態悪化の引き金にもなってしまいますからね。

やりがい

個人的には、総合病院時代よりもやりがいは感じなくなりました

精神科では学んだ知識や技術が必ずしも活きるとは言えないと思います。心電図の波形が読めなくても、採血データのアセスメントが出来なくても、それほど困ることはありません。先にも言っていますが、専門知識や技術以上にコミュニケーションスキルが重要になるため、頑張って勉強しなくても通常業務としては困らないことが多く、業務の中で身に付けたスキルの方が重要視されることもあります

自分が頑張って受け持ち患者に関わっても必ずしも治療経過として良い方向にいくとは限らないし、感謝されるどころか妄想の対象になったりして余計に症状を悪化させることもあります。治療に必要となる期間も長くなることが多く、一度拒絶されてしまうと長い間拒否的な反応を目にしたり攻撃的な言葉を浴び続けることにもなるため、仕事に向かうのが嫌になってしまうこともあるかもしれません。

このように、自分の頑張りがそのまま成果として出るとは限らないのが精神科の特徴のように感じます。頑張っても成果が得られないのであれば、やりがいも感じにくいですよね?

ではやりがいを感じる場面が無いのかと言えば、そんなことはありません。後輩への指導や業務の割り振り等で全体の動きを見て配分するリーダー業務などももちろんあり、円滑な病棟業務の進行の中心に立つことでやりがいを感じることもあるでしょう。患者対応として距離感をつかめれば妄想や認知機能の低下がある患者の対応が得意になることもあり、やりがいや楽しさにも繋がると思います。結局は、どういった部分に自分がやりがいを感じるかということですね。

同僚の業務に対する姿勢

偏見かもしれませんが、精神科病院で新卒から勤務していた人だと時間の使い方がルーズになりやすいと感じています。

総合病院では手術などの時間が決まっている業務の積み重ねに加え、緊急入院や命に関わる急変など煩雑で速やかな対応が必要となる業務が毎日のように幾重にも重なり振りかかってきます。それらの多重業務をこなしていくため、一つ一つの業務を導線を考え速やかに行うよう心掛けなければなりません。しかし、精神科では一人が多重業務を課せられてバタバタと走り回る姿はほとんど見られません。患者の話をじっくり聞く必要があったり、興奮して暴れる患者に複数人で対応する必要も出てくるためやることがありすぎて手が回らないという状態は精神科看護師の姿としては不適切だからです。そんな働き方が当たり前であるため、業務をこなすスピードが遅いと感じることもあります。やる気があるのかとイライラしたこともありますが、しばらくして「そういった業務への向かい方しかしたことが無いのだから仕方がない」と考えるようになりました。決してやる気が無いとかではなく、そういった働き方をする必要が無かったため身についていないだけだということです。

こういった業務スピードが遅いという動きにもメリットはあります。まず、一度に複数の業務を抱えること自体が少なく、一つの業務に集中して取り組むことができます。精神科患者の場合、不穏対応や患者・家族の訴えを確認するのに想定以上の時間がかかることも少なくないため業務を詰め込むと予定通りにこなすことが難しくなります。それを他の同僚も分かっているため、別の業務を抱えている看護師に同じタイミングでこなす必要のある業務は依頼しないようにしたり、手の空いた別の同僚が引き受けてくれる場合が多いです。このような業務の動きから、煩雑な業務になりにくいため(転倒など避けようが無いものはありますが)インシデントも生じにくくなったように感じます。

物は考えようということですね。

男性看護師

総合病院時代よりも男性職員として頼りにされることは格段に増えました

これは想像しやすいと思いますが、精神科では暴れる患者の対応は日常茶飯事です。その場合、患者に力負けしてしまうようではお互いに怪我のリスクも上がるし、他の患者にも攻撃の手が及んでしまう可能性も高くなります。こういった状況に一刻も早く対応し、安全に患者の動きを抑え込むためには単純に力が強い男性職員が重宝されます。精神科病院に来るまでは、男性というだけでここまで頼りにされたこともないので、少し嬉しくも思っています。

総合病院では今だに女性看護師の方が比率が非常に高い場合が多いと思いますが、男性看護師が多い精神科病院では人間関係も違っているように感じます。女性の多い職場の人間関係に疲れてしまった人も、精神科病院では総合病院とは違った人間関係になることで落ち着いて働ける可能性があるため、そういった理由で転職を検討してみてもいいのではないでしょうか。

また、精神科では女性職員が不要かと言えば、そんなことはありません。男性とは違った看護の視点を持っていますし、女性にしかできない共感の姿勢や対応ができると感じています。また、先に述べた暴れる患者の対応は男性に依頼することになるため、怪我の危険が高い場面の対応は避けられるという点では女性でもそれほど不安なく精神科病院を検討することができるのではないでしょうか?

いかがでいしたか?あくまでも私が精神科病院に転職して2年間働いた上で感じている印象ですので、違った考えを持っている方もいるかと思います。精神科病院で働くことについて様々な意見があるかと思いますが、その内の一つとしてこういった考えを持つ男性看護師がいるんだなと思ってもらえればいいかなと思います。精神科病院で働くことがどういうことなのかを知りたい人、転職を考えている人にとって役立つ情報となれば幸いです

転職して1年が経過した頃に感じていた精神科のメリット・デメリットも投稿しています。過去の記事を参考にしてみて下さいね。

【看護師の転職】総合病院から精神科病院に転職して感じる転職のメリット
現役で看護師として働く管理人が精神科病院へ転職するメリットをお伝えしています。
【看護師の転職】総合病院から精神科病院に転職して感じる転職のデメリット
現役で看護師として働く管理人が精神科病院へ転職するデメリットをお伝えしています。

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