ある程度看護師として働いていくと「忙しすぎて辛い」「仕事以外でもっといろんな経験を積みたい」「思ったほど給料がもらえない」「人間関係に疲れた」などの様々な悩みから、一度は転職を考えたことがあるのではないでしょうか?しかし、思いつきで転職してしまうと、実際に転職した後に「思っていたのと違う」と後悔してしまう可能性があります。
転職を考え始めると多くの人が同僚に相談したり、ハローワーク等で実際の求人情報を集めるなど直接的に情報を集めようとすると思いますが、情報を与えてくれる人の偏った視点に左右されるため、より良い条件や自分の意向に沿った転職先を見逃してしまう可能性があります。私の考えとしては、限られた一部の人から与えられる情報に左右されないために、より一般的な情報を得る上で転職に特化してまとめられた本、もしくは最新の転職情報に関する特集を組まれた本を積極的に読むことが後々後悔しないためにも大切だと考えています。実際、私自身は転職して1年経ちましたが今のところ後悔せずに働けています。今回は、看護師が転職を考え始めたら読むと参考になる本を紹介します。
- 転職の鬼100則
- エキスパートナース
- 看護師のためのキャリアデザインBOOK
- 副業先でも使える61のルール 転職1年目の教科書
- 精神科仕事術
- 30代を無駄に生きるな
転職の鬼100則
リンク著:早川勝
発行:2020年
発行元:明日香出版社
私が転職を考えていた当初はまだこの本は発売して間もない時期であり、書店では平積みされていましたのですぐに目に止まりました。パラパラとページを捲ると短くまとめられたメッセージが100個並んでいます。どのページを開いても「うんうん、やっぱりそうだよね」「なるほど、そういう風には考えていなかった」「そりゃあそんなに甘くはないよね」と心を揺さぶられる内容がまとめられています。私個人としては、転職を考え始めた時点でまず最初に読むべき本だと思います。あらゆる転職を考えている人に対応していると謳っているため、医療に特化した内容ではないし、自己啓発本の延長のような言い回しの言葉も数多く見られますが、転職を考えるならこういった思考は持っておくべきという、根本的かつ基礎的な内容を厳しくも優しいメッセージで伝えてくれています。非常に読みやすいので、200ページ以上のページ数はありますが、立ち読みでもサクサク読めてしまうかもしれませんね。
エキスパートナース 2021年9月号
リンクバックナンバーの在庫は無さそうです…。中古を探してみてね。
看護師をしている方ならおそらく何度も目にしたことがあるはず!な看護情報に特化した月刊誌です。この刊では「病院以外で働く道もある!自分のキャリアを考える図鑑」という特集が組まれており、看護師の働き方や働く場所として病院以外の事例が多数紹介されています。看護師として働き始めてから、病院以外の働き方に興味を持った、看護師の経験を活かした上で別の分野で働きたい、もともと看護師以外の仕事に興味があったが諦めていた、といったような方は一度読んでみると視界が開け、転職や副業にチャレンジしてみようと思えるかもしれません。月刊誌でこういった特集をしてくれると最新の転職事情を知ることができ非常に助かりますね。看護師経験が長く、あまりこういった看護雑誌を読まれなくなった方も、時々これらをチェックしてみると興味をそそられるのではないでしょうか?
看護師のためのキャリアデザインBOOK
リンク監修:濱田安岐子
発行:2022年(改訂版)
発行元:つちや書店
私が購入したものは2018年初版のものでしたが、改訂版が発売されていましたのでご紹介します。この本は、その名の通り看護師のキャリアデザインを考える手助けをしてくれる本です。冒頭にある「はじめに」を読んだ時点で、転職を考えていた当時の私にはピッタリの内容であったため購入しました。
事例として様々な立場から働き方を検討した例から始まり、この時点で凝り固まった看護師の働き方はこうあるべきという考え方を変えるヒントが得られます。自分のやりたい看護を実践するためにはどうすればよいか、読み進めながら自身の置かれた立場や経験・考え方などをワーク形式の部分に記載することで自分が本当に大事にしたいと思っている気持ちを振り返る事ができます。職場選択や退職を考えた時に、安易に決定せずに「なぜ辞めたいと思っているのか、辞めずに状況を改善する手段はないのか」など自己分析することで、転職した後に後悔しないよう自身の考えを見直させてくれます。後半では、起業や病院以外での働き方についても(内容は少ないですが)紹介されています。
副業先でも使える61のルール 転職1年目の教科書
リンク著:秋山進
発行:2021年
発行元:日本能率協会マネジメントセンター
医療・看護職に特化した内容ではありませんが、一般的に転職した後に待ち受けているもの、注意すべきことがまとめてあります。1項目につき見開き1ページ程度でまとめられていて非常に読みやすいです。また、「入職第1週」「入社1カ月まで」といったように自身の転職後の時期によって章を分けて書かれています。
私の場合は転職を決めた際にダーッと全体を読み、定期的に転職後の時期前後の章を読み返すことで振り返るべきことや今後注意が必要となることなどを確認していました。実際にその通りだと思えるものが多く、とても参考になったと思います。転職する前に注意すべきことをまとめた本はいくつかありますが、転職後に注意したいことをまとめた本はまだ数が少ないため、参考になると思います。
医療業界に限らずあらゆる職種の転職者へ、後悔しないために確認しておいた方が良いことがまとめられていたと思います。まずは目次に目を通して頂き、興味を持ったらぜひ購入して、少なくとも転職から1年間は手元に置き定期的に自分の転職後の時期と照らし合わせて読み返すことをおすすめします。
精神科仕事術
リンク著:山下隆之
発行:2021年
発行元:医学書院
精神科で働いた事が無い人が最初に目を通しておくと、何となく「精神科で働くってこういうことか」と感じることができます。新人看護師へ向けた「心持ち」「患者さんへのケア技術」「業務のコツ」の3点に分かれており、働き始めからの1年間を期間別に紹介しています。決して難しい内容は書かれておらず、サクサク読める内容となっています。
精神科に特化しているため、総合病院であれば「このくらいの期間までに○○検査の手順を覚えよう」といった具体的な技術面の知識の必要性が記載される割合が増えるかと思いますが、この本ではメンタル面や観察方法といった内容の記載が充実しています。新人から、ある程度看護師経験のある方まで、新たな発見や振り返りができる本だと思います。個人的には①精神科への転職を迷った時、②精神科で働き始めて半年ほど経ったら、③精神科で働き始めて1年経ったら、という3回くらいのタイミングで読み返すことで実際の経験を噛み砕いて理解するのに役立つと感じました。
30代を無駄に生きるな
リンク著:永松茂久
発行:2019年
発行元:きずな出版
この本の帯に書かれた「人生の9割が決まるこの10年。後悔するか、前に進むか。」という言葉に心を掴まれ、衝動買いした本です。著者はたくさんの自己啓発本を出版しているため、転職を考えていない人でも読書好きであれば1度は目にしたことのある著者ではないでしょうか。永松氏の著書はいずれも非常に読みやすく心を掴まれる内容にまとめられています。この本も他の著書同様の完成度であり、内容はまさに「30代のためのもの」になっていると思います。思考、人間関係、仕事、習慣など、20代ではまだここまで考えにくいだろうと言うこと、また40代ではその辺りは既に身に付けておかないと遅いだろうということ、それらの、ちょうど良いこの時期に確認しておくべき事柄が詰め込まれた本となっています。
私の場合は転職を検討していた時期に読んだため、まだ転職を迷っていた気持ちを後押ししてくれる本となりましたが、「人生を後悔したくない」と考えるすべての30代の人におすすめできる内容です。仕事やプライベート、人生に迷ったことがある方、現在迷っている方、一度読んでみて下さい。この本の中に答えを見つける事ができるかもしれません。
私が2度目の転職をしてから既に1年以上が経過しており、現在はもっと多くの良書が出版されている可能性があります。しかし、「実際に参考になる本を教えてほしい」ということであれば、今回紹介した本はいずれも私が転職を考えた際に実際に参考にした本ですので、転職を検討する皆さんに役立つ内容となっていると思います。転職してから後悔するのは非常にもったいないです。先にこれらの本を読んでおくことで、きっと後悔の無い転職となることを手助けしてくれるでしょう!
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