皆さんこんにちは、走るメンズナースほりぽんです。看護師や看護学生の方であれば一度は「最初は精神科(病院)に行かない方がいい」と先輩看護師や師長等の上司、学校の先生に言われたことがあるのではないでしょうか?私は2度の転職を経て3つ目の勤務先に精神科病院を選びました。今回の連載では、私が1年以上精神科病院で働いて新卒看護師が働くのはおすすめできないと感じる理由を5つ紹介しています。既に新卒で精神科(病院)で働き始めている方の考え方を否定する訳ではありませんが、今後の働き方を考える上で参考にしてもらえたらと思います。
④総合病院勤務の看護師に実力差を感じ悩んでしまう可能性がある
特に精神科病院において、総合病院との大きな違いの一つに基礎的な看護技術を経験する場が少ないという点があります。
例えば、私が大学病院勤務時代に最初に配属された病棟では、循環器疾患を担当する病棟だったので12ECGを看護師が実施するのは当たり前でした。心電図の重症度の判別もある程度出来ないと学習が足りないと言われていましたし、手術があるため20Gでの点滴ルート確保も当たり前、バイタルサインの異常の判断は出来ないと先輩たちの間で会議が行われるような環境だったため「高水準の当たり前」を身に付けることができたように思います。しかし、精神科においてはこれまで当たり前だったものの多くが「そんなことやったことない」「やる機会が無い」というものに変わります。血圧等の測定が必ずしも毎日必要では無くなるし、点滴をする人も限られルート確保は22Gか24Gのもの。12ECGはそもそも病棟に配置されていないことも多く電極の付け方を知らない看護師も少なくない…
そういった環境にあるため、久しぶりに学生時代の友人と会って仕事の話をした時など、経験している現場の状況の違いに愕然とする可能性があります。
「あの子はあんなにいろんな経験をしているのに、自分はどれくらい看護師らしいことができるだろう」「このままでいいのだろうか…」
精神科病院内の同僚は自分と同様に基礎看護技術をそれほど経験していない同僚・上司ばかりであるため、総合病院等の急性期で働く友人の話を聞くと、突然経験している仕事(看護)内容の差を目の当たりにし、愕然としてしまうかもしれません。実際、私が現在の職場である精神科病院に転職した際、「こんなこともやれないのか」と思ってしまう先輩がたくさんいて驚いてしまいました。自分の職場を悪く言うつもりはありませんが、やはり基礎看護技術を経験する機会は少ない環境であることは間違いありません。その意味では、総合病院での激動の勤務を経験してきたことで知らない内に自分の技術や知識に自信を持てる様になっていたんだなと感じます。
また、転職を考えた際にも自身の看護技術や経験の少なさを引け目に感じ、1歩を踏み出しにくくなったり、なるべく急性期の知識がいらない病院や老健を選んでしまうなど、無意識に選択肢を狭めてしまう可能性があります。私が看護学生、新人看護師の頃は「若いうちは苦労した方が良い」と言われていましたが、Z世代と呼ばれる現在の20代くらいまでの看護師は辛い環境であれば容易に辞職や転職を選びがちだとも言われています。精神科が大変じゃないとは言いませんが、最初の職場に精神科病院を選んでしまうと看護師としての総合的な基礎固めが出来ず、自分ならどんな職場でもやっていけるという自信はつけにくくなると感じます。
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