大人になると、「若いころは時間があれば遊びたい、ダラダラしたいと思っていたけどもっと勉強しておけば良かった」と思うことが増えます。若いころに時間を無駄にしたという思いがある人ほどこの気持ちは強くなりますし、学ぶ習慣が育たないままに年を重ねてしまったために、これから学ぶ習慣を作ること自体が難しい状態なっているのではないでしょうか。この本は、そういった学び直したいと思っている大人に向けた学びの参考書となる本です。
一生脳が良くなり続けるすごい脳の使い方
著:加藤俊徳
発行:サンマーク出版
2022年初版
結論
- 文字サイズが大きめで読みやすくちょうど良い。挿絵もおもしろい。読み進めやすく学び直ししたいと考えている人に最適!
- 効率的な勉強法を知りたい!という人は第4、第5章だけ読めばOK!
感想
まず表紙のインパクトが絶大です(笑)。「え?いつまで学生時代と同じ勉強法やってんの?脳の仕組み変わったんですけど」という言葉に、勉強をもっと効率的に進めたいと考えている大人の方であれば一度は中身をチェックするでしょう。「大人に向けた」ものであり読みにくいのかと思いましたが、文字は大きめであり4コマ漫画なども多用され読みやすく工夫されています。
内容としては全5章の構成。第1章では脳の構造として医学的に言われている内容を中心に、解りやすくキャラクターに例えて紹介されています。脳の構造や特徴を実際のMRI画像も使って分かりやすく解説しています。第2章では記憶力をアップさせるための方法が紹介されています。「その日のうちの復習で記憶の定着率がアップする」等、私たちが経験によって何となく理解していた内容を先行研究の結果などを用いて分かりやすく解説されていました。第3章は一般的に言われる勉強の進め方。おそらく1度は何かで目にしたことのある内容であり、学生にも通じる内容が完結にまとめられています。
第4章からが、私としてはこの本を読む価値のある内容だと思っています。脳の特徴を活かした勉強法のススメが書いてあり、簡単に言うと万人に共通するおススメの勉強法は無い!ということだと思います(悪い意味ではありませんよ)。この章を読んでいると「私にはどういう勉強法が向いているんだろう」と考えてしまっていることに気付きます。第5章はより集中して、効率よく勉強を進めるためのアドバイスになっています。学生の頃の勉強法が染みついている人にとっては、この章を参考にすることで「試してみたい」と思える内容も多いかもしれません。
気になる点
裏付けがはっきり明記されていないものがあります。「私の場合は~でした」といった内容を掘り下げた部分がありますが、それは本当に読者全員に該当する内容なのか?と疑問が残ります。ただ、書いてある内容としては一般的によく言われている内容を詳しく解説したものが大部分なので、「学び直し」がしたいと考えて本書を手に取った読者にとっては、分かりやすさという意味では間違いないと思います。
いかがでしたか?本書は自己流の勉強法では上手く学習が進められず、これから勉強法を探していきたいと考えている人にとっては非常に読みやすくまとめられているため参考になる内容かと思います。気になる方は是非一度手に取ってみて下さい。
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