精神科病院に転職して2年経過した現状 ぶっちゃけこんな感じ その2

看護

みなさんこんにちは。走るメンズナースほりぽんです。私は大学病院、地域の総合病院(3次救急病院)を経て2年前に現在の精神科病院に転職しました

今回は、私が精神科病院で勤務する上で感じていることの紹介第2弾です。精神科病院に興味がある方転職を考えている看護師の方はぜひ参考にしてみて下さい。

第2弾では、実務の違いについてまとめてみます💡

ルール・マニュアル

精神科では法律に基づいたルールが厳格に示されており、不要な拘束や不適切な援助がされないよう取り決めは徹底されます。希死念慮がある方やリストカットを繰り返す人もいるため、刃物類は原則病棟には持ち込まないし、首を吊れるような紐類も禁止です。瓶などの凶器になりうるものも原則持ち込み禁止だし、携帯の充電コード等もNs管理となるため私物の管理が重要となります。精神症状に合わせて水中毒があればコップを預かったり、スマホ依存で閉じこもり傾向にある人や被害妄想のある人にはスマホの使用時間を決めたりと一人一人に合わせたルールの厳守も必要であり、それぞれのルールを病棟全体で情報共有・対応統一することが必要となります。ここを疎かにすると、自分たちや他の患者の安全を守れなくなりなるため、毎日のように申し送り等で確認し合う必要があります。

総合病院等ではそもそも患者自身が理解力があったり、治療意欲がある人の入院が多いため、病院の取り決めをあえて破ろうとする人は少ないかと思います。しかし精神科では病識が無い認知症の方や、なぜ入院や治療が必要なのかも分からない依存症の方など、ルールを守ることが難しい状態の患者も多いため、入院時の確認は必須です。

また、精神科患者は様々な病院を渡り歩いてきた方も多く、各病院のルールについては細かく覚えているように感じます。「○○病院では自分で洗剤を管理していたのに、この病院ではなんで自分で管理できないんだ!」というように怒ってしまう方もいますが、精神科病院とはいってもそれぞれの施設内でのルールがあるため、必要に応じて主治医と相談の上で適宜説明しています。

看護技術の違い

循環器内科では心臓カテーテル治療の看護、整形外科では良肢位の保持など、各科によって必要となる技術は様々です。しかし、どれも必要なものであり、極めていくことで信頼される看護師となっていきますよね?では、精神科における看護技術といったら、何を想像するでしょう?もちろん採血や急変時の対応など、どんな職場でも必要となる技術はありますが、精神科で特化した技術と言えば暴力・危険行為における対応コミュニケーション能力ではないかと感じています。

暴力・危険行為における対応としては、例えばアルコール依存の急性期では易怒的で殴りかかってくる人の対応が必要な場合もあります。また、病識が乏しく、隙あらば無断離院を試みるような人もいますね。そのような人をお互いに怪我をしないよう安全を確保しながら対応する必要が出てきます。暴力行為のようなものがあれば複数人で抑え込み、精神状態が安定するまで身体拘束をする場合もあるし、無断離院のために走ったり暴れる場合は隔離します。精神科では治療を受け入れられないからといって強制退院させることがほとんど無いため「どうやって治療を受けさせるか?」を考える必要が出てきます。

コミュニケーション能力としては、総合病院時代は患者の話をよく聞いて(傾聴)共感の姿勢を示すことが良いと考えてきましたが、精神科ではそうとも限りません。うつ病の場合、傾聴しすぎると自分の言葉のせいで余計にうつ症状が悪化してしまったり、妄想の対象となって突然嫌われたり、逆に非常に好意を寄せられてしまうこともあります。その絶妙な距離感の見極めの状態が精神科看護師としての成長であるとも言えるのではないでしょうか。

感染対策

特に通常業務の中で総合病院等と比べてしまうのが感染対策についてです。精神科ではアルコール依存や認知症の患者が手指消毒用のアルコールを飲んでしまうこともあるため、病棟内に消毒薬は設置できません。また、興奮状態が続いている場合にケアに数日間入れない場合もあります。認知機能が低下している方はマスクを着け続けることも難しいですよね。このように、精神科では感染対策は不十分になりがちです。

施設等でもそうですが、コロナウィルスやインフルエンザが蔓延することも少なくないことは予想できますよね。あまり手洗いやマスク装着を強制しすぎると病状に影響が出る場合もあるため、自分が感染しないよう十分な対策をするためには日頃から個人用防護具(PPE)を装着するしかないのですが、コストの問題もあるため現実的ではありません。

こういっては何ですが、ある程度感染リスクが高くなるのは仕方ないと諦めて、感染症が発生した場合にいかに拡大を防いでいくかを考えていくしかないでしょう。

前の記事でも述べていますが、今回紹介している内容は私が勤務している精神科病院に限った内容であり、私の考えですので必ずしも皆さんに当てはまる内容ではないかもしれません。ただ、どこにでもある普通の精神科病院の情報としてメリット・デメリットに感じていることを紹介してるので、総合病院から精神科病院に転職した普通の看護師が働いてみてどのように感じているのか、参考にしていただければと思います。

転職して1年が経過した頃に感じていた精神科のメリット・デメリットも投稿しています。過去の記事を参考にしてみて下さいね。

【看護師の転職】総合病院から精神科病院に転職して感じる転職のメリット
現役で看護師として働く管理人が精神科病院へ転職するメリットをお伝えしています。
【看護師の転職】総合病院から精神科病院に転職して感じる転職のデメリット
現役で看護師として働く管理人が精神科病院へ転職するデメリットをお伝えしています。

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